ボトックス注射の失敗例と対処法を解説
こんにちは。ネビュラクリニック広島院院長の穴井元康です。
今回の記事ではボトックス注射の失敗例と対処法について解説していきたいと思います。ボトックス注射はダウンタイムがほぼなく、気になるシワを解消したり小顔治療ができるため、日本国内のみならず、世界中で人気の若返り治療です。国内ではボトックス製剤が2009年に厚生労働省によって製造販売が承認され、この10年で延べ170万人が受けたと推測されます。近年、身近になった治療とはいえ、失敗例やリスクもあるのが現状です。十分な事前の診察がなかったり、施術する医師の技術力不足などによって適切な施術が行われなかったりすると、思わぬ副作用や失敗が発生する可能性があります。これからボトックス注射を受ける方、受けた方の参考になれば幸いです。
白岩 拓巳
経歴
2016年 千葉大学医学部医学科 卒業
2016年 横浜労災病院
2017年 平戸市民病院
2018年 千葉大学医学部附属病院
2019年 千葉労災病院
2020年 大手美容外科クリニック 新宿本院
2020年 大手美容外科クリニック 福岡院 副院長
2021年 大手美容外科クリニック 広島院 院長
2021年 大手美容外科クリニック 銀座院 院長
2022年 ネビュラクリニック 院長
[ CONTENTS ]
ボトックス注射とは
ボトックスとは、ボツリヌス菌という細菌が作り出すA型ボツリヌスから抽出した毒素を薄めて精製し、人体に対して悪影響がないように加工された製剤です。
ボトックス注射の効果
筋肉を動かすときに神経伝達物質のアセチルコリンが出て脳からの刺激が筋肉に伝わります。ボトックス注射はボツリヌス菌から抽出された薬剤を筋肉に注入することで、神経からアセチルコリンが出るのを抑え、眉間やおでこ、目尻などの表情筋の過剰な動きを和らげ、しわを目立たなくします。また、エラの張りの解消による小顔効果や、肩こりの改善、発汗を抑える多汗症治療にも効果があります。
表情ジワの解消
目尻に出来る笑いジワや、眉間に出来る縦ジワ、おでこの横シワは表情筋の「動きすぎ」によって作られるシワです。表情筋の動きによって皮膚がよれてしまい、これが日常的に繰り返される事でシワとして定着する状態となります。ボトックス注射で表情筋の動き過ぎを抑制すると、当然皮膚のよれが無くなりますのでシワは作られません。
エラの解消
食べ物を食べたりする際、噛みしめる力は「咬筋」という筋肉によって行われます。この咬筋は頬の横、エラの辺りにある筋肉ですので、咬筋が発達するとエラが横に張り出したような輪郭になります。ボトックス注射で咬筋の働きを抑えると、徐々に咬筋が細くなっていきますので、筋肉によるエラの張りが解消されてすっきりとしたフェイスラインを手に入れる事ができます。
表情のコントロール
表情筋の使い方のクセで、いつも怒っているように見られてしまうなど表情の見え方にお悩みの方は、ボトックス注射で表情筋の動きをコントロールする事で柔らかい表情を作ることができます。
痩身効果
ボトックス注射によって部分痩せが可能です。ふくらはぎや肘より先の前腕は、脂肪はあまりつかずに筋肉の発達によって太く見えやすい部位です。ボトックス注射で筋肉の動きを抑え、徐々に筋肉のボリュームを減らすことで、部分痩せが可能となります。
ボトックス注射の副作用
ボトックス注射は毒素を原料としている薬品であるため、副作用が気になるという方は多いのではないでしょうか。ボトックスは、現在世界中で利用されている薬剤であり、その歴史も20年を超えるものとなってきていますが、現在までに大きな副作用というものは報告されておらず、非常に安全性の高い治療という事ができます。ボトックスに限らず、ボツリヌストキシン注射で用いられている薬剤はどれも品質管理を徹底されているため、薬剤そのものによるトラブルというものはまず考えなくて良いでしょう。
ボトックス注射のよくある失敗例
副作用という点ではあまり心配のないボトックス注射ですが、治療に関して全く失敗のリスクが無いかというとそういうわけではありません。ボトックスは筋肉の動きを抑えることでしわを改善する効果がありますが、注入する場所や深さ、量などを正確に判断ができないと「表情が硬くなる・不自然になる」「笑顔が引きつる・作りにくくなる」「眉尻や目尻が吊り上がる・不自然になる」「まぶたが重くなる・下がる」「皮膚がたるむ」「デコボコ・凹凸になる」といったような失敗のリスクがあります。
表情が硬くなる・不自然になる
ボトックス注射は表情筋の働きを抑える事でシワを改善したり、表情をコントロールする事ができますが、働きを抑制する表情筋を間違えてしまったり、注射の分量を間違えて筋肉の動きを制限しすぎたりしてしまうと表情が不自然になってしまう可能性があります。おでこやアゴなどに打つボトックスの注入量が過剰だったり、注入部位が正しくなかったり、または広範囲に注入したりすると「顔が引き攣ってしまう」「口角が上げづらくなる」「口角に挙げ方の左右差が出る」など表情が硬く不自然に見えたりする恐れがあります。
笑顔が引きつる・作りにくくなる
ボトックス注射に失敗すると、笑顔が不自然に見えることがあります。特に、眉間、目尻、あご、口角、エラにボトックスを打つ際は注意が必要です。医師の技術力不足で、適切な箇所に正しくボトックスを注入できず、意図していない部位にまでボトックスが作用してしまうと、笑顔が引き攣ってしまい不自然になってしまいます。
眉尻や目尻が吊り上がる・不自然になる
眉毛の近くにボトックス注射をする場合、目や眉尻が吊り上がる現象(スポックブロー)が起こることがあります。スポックブローは眉頭側と眉尻側では前頭筋の大きさが違うことを考慮しないで打った為、ボトックスの効果が顔の外側と内側で均等にならないことで起こります。
まぶたが重くなる・下がる
ボトックスは眉間やおでこのしわを改善する効果がありますが、筋肉の動きを制限するために眉の位置が低くなり、瞼が重くなって目が小さく見えるリスクがあります。特に眼瞼下垂の症状がある場合は、目を開けるためにおでこの筋肉を使って目を開けていることが多いため、ボトックスを注射することでおでこの筋肉が動かなくなり、瞼が下がって、眼瞼下垂の症状が悪化したようになります。
皮膚がたるむ
エラのハリを解消する目的でエラボトックスを行った場合などで、発達した筋肉が弱まった結果、その筋肉に支えられていた組織が下がってたるみとなってしまう事があります。こうしたケースでは、ボトックスと併せてたるみの解消を行う糸リフトなどの治療を併用する事がおすすめです。
デコボコ・凸凹になる
ボトックス注射は、医師が注入する箇所や量を間違えると、皮膚がデコボコになる可能性があります。特にエラやフェイスラインはボトックスを注射する際はデコボコした状態になりやすいので注意しましょう。
ボトックス注射で失敗した場合の対処法
ボトックス注射施術後に失敗した場合の対処法について解説していきます。
効果が弱まるまで待つ
万が一、ボトックス注射をして失敗しても、薬剤を全て取り除くことができません。ボトックスの持続効果は約半年ほどなので、時間が経てば元の状態に戻ります。小さな失敗であれば効果が弱まるまで待つという方法もあります。
医師に相談する
ボトックス注射後、明らかに違和感がある場合は医師に相談しましょう。ボトックスの効果が切れるまで待てないという場合は、他の部位にボトックス注射することで修正できることもありますが、難易度は高いです。その他、「アセチルコリン塩化物」というボトックスの作用を弱める薬剤を使用し修正することもありますが、それでも完全に元に戻すのは難しいので注意しましょう。
失敗後のマッサージは避ける
注射によって注入した薬剤は治療後ある程度の時間をかけて作用していく形となりますが、治療後に注入部位をマッサージしたり、血流が大幅に上がるような事をしてしまうと、薬剤が分散してしまう可能性があります。薬剤が分散してしまうと、意図していない働きとなってしまったり、治療の効果が弱くなってしまう事で失敗に近づいてしまいますので、こうした状態にならないように術後の過ごし方には注意が必要です。具体的には注入部位のマッサージをしない事や、激しい運動をしないようにしましょう。洗顔なども強く行ってしまうとマッサージと同じような影響となってしまいますので、優しく洗顔するようにしましょう。
ボトックス注射の失敗を防ぐコツ
ここではボトックス注射の失敗を防ぐコツをお伝えしていきます。ボトックス注射の効果を高め、失敗を防ぐために重要なポイントになります。
施術前に医師としっかり相談・希望を伝える
まず施術前に医師としっかりカウンセリングで相談しましょう。術後にこんなはずじゃなかった、という事態を避けるためにも予め希望を伝えておくと安心です。
信頼できる医師・施設を選ぶ
ボトックス注射を行っているクリニックはたくさんありますが、施術している医師の技量には差があります。ボトックス注射は手軽に受けられるイメージがあると思いますが、クリニック・医師選びによって満足度は大きく左右されます。不慣れな医師が施術して、ボトックスを注入する箇所が適切でなかったり、注入量の判断を誤ると予期しない結果になってしまうことがあります。失敗した場合にはすぐに元に戻すのは難しいため、ボトックス注射の経験が豊富で技術力があり、不安や疑問にしっかり答えてくれる医師を選ぶことで、失敗のリスクを減らすことが大切です。
術後は医師の指示に従ってケアを行う
ボトックス注射を受けた後は、クリニックから指示された注意点を守ることが大切です。施術後の数日間は、薬剤が安定していません。注射した箇所を過剰に触ったりマッサージしたりすると、薬剤が周辺に広がり、表情が不自然になる可能性があります。施術後の数日間は注入した部分に触れないように気を付けましょう。
施術部位を触らない
医師が適切な箇所に注入しても、施術後に患者さんが気になって施術部位の周辺を過剰に触って刺激を与えたり、マッサージで強い刺激を与えたことで、ボトックスが周辺に部位に広がってしまい、表情筋が動かない、不自然になってしまう可能性があります。施術後は医師に指示に従い、マッサージやエステの施術を受けたい場合は、いつから受けてもよいか医師に相談しましょう。
使用するボトックス剤を確認する
ボトックス薬剤には様々な種類があり、効果や持続期間などが異なります。失敗しないためには、ボトックス剤の種類や効果を必ず確認しましょう。厚生労働省の認可を得ているボトックス製剤であれば、安全性が高く安心です。
安定した効果を持続するために担当医を決める
ボトックス注射の効果は時間の経過とともに薬剤の効果が弱まっていきますので、個人差はありますが、シワ改善が目的の場合は約4〜6ヶ月で効果が切れることが多いです。安定した効果を持続するには、効果が切れ始めるタイミングで再度ボトックス注射をすれば効果を長期間維持できます。ただし、ボトックス注射を受けるクリニックを毎回変えてしまうと、医師によってボトックスを注入する箇所や量にばらつきが出る可能性があり、仕上がりも差が出ることがあります。担当によって注射をする技術も異なりますので、信頼できる医師が見つかれば同じ担当医に施術をしてもらうと、患者様に最適な施術方法が分かり、効果も安定するでしょう。
ボトックス注射に関するよくある質問
ここからはボトックス注射についてよくある質問に回答していきます。
失敗しても治るのか?
ボトックス注射で失敗するとすぐに治すことは困難です。基本的に時間の経過とともにボトックスの効果も弱くなっていきますので、半年ほどで元の状態に戻っていきます。そのため失敗しないように、経験豊富な医師の施術を受ける事が重要ですので、医師選びをしっかりと行うようにしましょう。
失敗した場合、温めると治りが早くなるのか?
温めても治りは早くなりません。ボトックスは熱に弱いという性質を持っているため、施術後に温めると効果が弱まることがあります。しかし、ボトックスの効果が現れるのは施術後数日経ってからで、薬剤の効果が現れてから温めても、元の状態に戻ることはありません。
打ち続けるとどうなるのか?
ボトックスを打ち続けたからといって、体に悪影響を及ぼすということはありません。むしろ、適切な間隔をあけながら継続して打ち続けることで効果が長く続くとされています。しかし、効果を高めたいからといって短期間に打ち続けると、ボトックスに対して抗体ができて効果が出にくくなることがあります。ボトックスの効果を持続させるためには、医師と相談して適切な間隔をあけて施術しましょう。
途中でやめるとどうなるのか?
途中でやめたからといって老け顔になるということはありません。ボトックスをやめると肌は元の状態に戻り、自然に肌の老化が進行していきます。
ボトックス注射をするならネビュラクリニックにお任せください
ネビュラクリニックでは患者様の満足度を高めるために、カウンセリングを重視しております。ボトックス注射で失敗しないためには、納得するまでカウンセリングを行うことが大切です。ボトックス注射は手軽に受けられる印象がありますが、失敗するとすぐに元の状態に戻すのは難しい為、施術後に後悔しないためにも不安なことがあればしっかり質問をして納得した上で施術を受けるようにしましょう。当院の医師は皆、ボトックスビスタの認定医です。患者様一人一人に合わせて適切な部位、深さに適切な量を見極めて、丁寧にボトックスを注入します。ボトックスに興味がある方は、お気軽にご相談いただければと思います。
まとめ
今回の記事では、ボトックス注射の失敗例と対処法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。ボトックス注射は、表情筋、余剰皮膚、シワの深さなどを見極めた上で行う治療で、施術する医師の技術によって結果が左右されます。ボトックス注射は繰り返し施術を行うことで安定した結果を得られるようになるため、ご自身で合う担当医を見つけていただくのが理想かと思います。当院では自然で美しい仕上がりを目指して、カウンセリングから施術まで丁寧に熟練した医師が対応しておりますので、ボトックス注射を検討されている方はぜひネビュラクリニックにお越しください。
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穴井元康
Motoyasu Anai
経歴
産業医科大学医学部 卒業
国立病院機構九州医療センター
トヨタ自動車株式会社 専属産業医
東北ろうさい病院 整形外科
都内整形外科クリニック 院長
大手美容外科クリニック
ネビュラクリニック広島院 院長
所属学会・資格
日本整形外科学会 正会員
日本医師会認定產業医
ボトックスビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
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