顔の脂肪吸引のデメリットとリスクを徹底解説
こんにちは。ネビュラクリニック広島院院長の穴井元康です。今回の記事では、顔の脂肪吸引のデメリットとリスクについて解説していきたいと思います。私自身も顔の脂肪吸引の施術を経験しておりますが、ダイエットをしても顔だけなかなか小さくならず、顔の大きさに悩んでいました。顔が小さくなるだけで本当に垢抜けますし、自分に自信も持てます。顔の脂肪吸引は施術のハードルが少々高いと感じるかもしれませんが、その分変化量も大きく、ダイエットでは得られない小顔効果があります。顔の脂肪で悩んでいる方、ダイエットでもなかなか小顔にならない方は多いと思います。顔の脂肪吸引を検討されている方の参考になるよう、丁寧に解説していこうと思いますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
白岩 拓巳
経歴
2016年 千葉大学医学部医学科 卒業
2016年 横浜労災病院
2017年 平戸市民病院
2018年 千葉大学医学部附属病院
2019年 千葉労災病院
2020年 大手美容外科クリニック 新宿本院
2020年 大手美容外科クリニック 福岡院 副院長
2021年 大手美容外科クリニック 広島院 院長
2021年 大手美容外科クリニック 銀座院 院長
2022年 ネビュラクリニック 院長
顔の脂肪吸引とは
脂肪吸引は“カニューレ“という直径数ミリの細長いストローのような器具を用いて、皮下脂肪を直接吸い出して除去する美容治療です。カニューレを挿入する際に数ミリ程度皮膚を切開するため、術後は一定期間切開の跡が残りますが、ほとんどの場合で切開を行う場所は目立たない場所になるため、術後に目立つような跡が残り続けるという事はありません。
脂肪吸引は通常のダイエットとは異なり。脂肪細胞そのものを除去するため即効性があり、リバウンドしにくく、また狙った部位を痩せさせる「部分痩せ」も可能となります。
頬の脂肪吸引の効果
頬の脂肪吸引により、顔の印象はかなりスッキリした印象になります。特に頬は食事制限や運動などダイエットのみでは脂肪が落ち切らず、部分痩せしにくい部位ではありますが、脂肪吸引であれば医師のデザインが良ければスッキリ小顔になります。顔に脂肪がつきやすかったり、面長に見えてしまう方にはおすすめの施術です。
脂肪吸引とバッカルファット除去の違い
バッカルファット除去術は顔の脂肪除去の中でも一般的によく行われている治療です。バッカルファットは頬の筋肉の下にある脂肪で、ここの脂肪が多いと頬が垂れて見える要因となります。筋肉より内側にあるため、皮膚表面から皮下脂肪を除去する脂肪吸引では対応する事ができず、口内から切開して脂肪を引き出して除去します。ですので、脂肪吸引とバッカルファット除去では取り除いている脂肪は別物になります。
脂肪吸引と脂肪溶解注射の違い
脂肪吸引は、細くしたい部位の近くに小さな穴を開け、カニューレという細い吸引管を使って物理的に皮下脂肪を除去する方法です。脂肪溶解注射は、脂肪を溶解する薬剤を注射する方法です。その薬剤によって分解・溶解された脂肪が、血液やリンパの流れに乗って老廃物と一緒に排出され、注射した部分が細くなるというメカニズムです。
顔の脂肪吸引のデメリット
顔の脂肪吸引はメリットもある一方、デメリットもあります。
脂肪吸引は脂肪を根こそぎ吸えば良いというものではありません。脂肪を吸いすぎてしまうと表面がボコボコしたり、凹んで逆に老けた印象になってしまいます。また、脂肪吸引後は痛みや内出血、むくみ、拘縮といったダウンタイムの症状が現れます。脂肪吸引直後から完成というわけではなく、3~6ヶ月ほど時間を要することもデメリットでしょう。また、HIFU, 脂肪溶解注射、ボトックスなど小顔目的の施術と比べて効果は大きい分、費用も高くなりがちです。
比較的長いダウンタイム
脂肪吸引後のダウンタイムの代表的な症状として痛み、腫れ、内出血、むくみ、拘縮が挙げられます。この中で最も長く残るのは拘縮の症状で、術後3ヶ月程度残ることがあります。
腫れ・内出血・痛み・むくみ
脂肪吸引後のダウンタイム中に出る症状として代表的なものは、腫れ・内出血・痛み・むくみです。多少個人差はありますが、ダウンタイムの症状と目安期間について詳しく説明していこうと思います。
- 手術翌日〜術後2,3日目;痛みと腫れのピークです。腫れが出ても一時的なもので必ず良くなります。痛みは筋肉痛のような痛みで1週間ほどかけて良くなっていきます。
- 術後1週間〜術後10日目;痛みと腫れが引いていき、続いて内出血とむくみ感が出てきます。内出血は術後から出ていることもありますが術後1週間では結構はっきり出てきていて、術後2週間頃に落ち着いてきます。むくみは術後1週間〜10日目あたりがピークで、その後は徐々に落ち着いていきます。
拘縮・傷跡
脂肪吸引後、施術箇所が凸凹したり、硬くなったりする拘縮という症状が現れることがあります。拘縮は皮膚が定着しようとする過程で起こる症状です。術後2週間から1ヶ月経過した頃に、脂肪吸引部位の凹凸、拘縮が出てきます。顔の脂肪吸引ではこの時期から小顔効果を実感される方もいらっしゃいます。拘縮は皮膚の硬差や、突っ張った感覚があります。拘縮はおおよそ3ヶ月程度で改善していきます。
不自然な仕上がりのリスク
周辺とのバランスを考慮せず吸引したり、吸引しやすい脂肪のみを吸引した場合、医師のデザイン力・技術力不足などで不自然な仕上がりとなってしまう場合があります。特定の部位だけ脂肪を吸いすぎてしまうと、隣の部位と段差ができてしまったり、違和感のあるシルエットになってしまったりします。そのため、局所的ではなく全体でのバランスを意識して仕上がりをイメージしながら施術することが重要になります。また、患者様と医師のイメージに相違があって、思った通りの形になっていないという例もあります。事前のカウンセリングや診察時に、要望をしっかりと共有することでリスクを低減できます。
脂肪吸引していない部位とのアンバランス
顔の全体のバランスを考慮せずに施術を行なってしまったり、施術する医師の技術力が低い場合にアンバランスが生じてしまうことがあります。回避する方法としては施術の経験が豊富な医師に施術をお願いするのが一番ですが、カウンセリングや診察の段階でデザインについてはしっかりと相談するようにしましょう。また、術後にアンバランスが気になっても、まだダウンタイムが終わっていないという状況もあります。その場合は焦ってすぐに判断するのではなく、まずは経過を見てダウンタイムが落ち着いて完成してから判断するようにしましょう。
医師の技量による差
小顔を目指したいという方や、顔のタルミとなんとか改善したいという方など、顔回りの脂肪によるお悩みを改善する目的で検討される事の多い顔の脂肪吸引ですが、顔回りは非常に繊細な部位が多く、またお悩みの原因も多岐に渡るため、治療を行う際には医師の経験や技術が必須とも言える部分です。脂肪吸引は人の手によって行われる外科手術です。当然、医師の経験や技量によって仕上がりに差が出てしまうリスクもあります。
効果を実感しにくい場合がある
顔の脂肪吸引を受けた方の多くは、術後の仕上がりに満足していますが、中には「受ける前とあまり変わらない」と感じている方もいるようです。理由はいくつかありますが、最も多いのがダウンタイムが終了していないというものです。脂肪吸引は術後のダウンタイム〜完成までも期間を要しますので、最低でも3ヶ月、できれば6ヶ月は完成したと判断せずに経過を見ましょう。他に効果を実感しにくい理由としては、脂肪の取り残しが挙げられます。特に吸引した脂肪の量が少なすぎた場合では、思ったほどの効果を実感できなかったり、施術前とほとんど変わらないという事案もあります。一応、再施術は可能ではありますが身体への負担を考慮すると何回も受ける施術ではないので、施術してもらう医師を選ぶ際は、顔の脂肪吸引の知識が豊富で、かつ高い技術力を持つ医師に施術を任せることが大切です。
副作用の可能性
顔の脂肪吸引のデメリットとして、術後に下記に示す副作用・合併症が挙げられます。外科手術である以上、一定の確率で起こってしまうリスクがあります。
内出血
手術後に施術箇所に内出血ができることがあります。基本的に時間と共に消えていきます。また内出血している部位が時間と共に重力の影響で下方へ移動していきますが、これは一般的な症状なので安心してください。
引きつれ
脂肪吸引後には、皮膚が常に引っ張られているような違和感を覚えることもあります。これは皮下組織の脂肪が除去された後に、自然治癒をする過程で起きるものです。引きつれの症状は通常で半年ほど経つと自然になくなります。
色素沈着
脂肪吸引後に、皮膚が茶色っぽくなってしまうことがあります。これが色素沈着です。この症状は稀で、皮膚の脂肪をとりすぎてしまった場合に発生します。
瘢痕化(はんこんか)
瘢痕(はんこん)とは皮膚にできた傷跡に炎症などが起きてしまった状態を指します。脂肪吸引後の傷口は、施術後のケアに応じて変わってきます。日々の生活での物理的な負担などによって、稀に肥厚性瘢痕と呼ばれるケロイド状の見た目になることもあります。対処法としては施術後に日光は避ける、外用薬を使用するなどが考えられますが、もし症状が悪化してしまった場合はクリニックへ相談しましょう。
知覚鈍麻
触られている感じがなくなり、しびれを伴うこともあるのが知覚鈍麻です。脂肪吸引の施術後、2週間程度はこの症状が続くこともあります。長く続いたとしても、ほとんどの場合は3ヶ月~1年程度で自然治癒します。
顔の脂肪吸引の失敗例
顔の脂肪吸引は、顔の気になる部位の脂肪を取り除くことができ、美容外科の中でも人気施術のひとつである一方、失敗トラブルも多く報告されており、執刀医には高い技術が求められます。
顔の脂肪吸引には様々なリスクやデメリットも存在していて、それを知らずに安易な気持ちで治療を受けてしまった結果、様々なトラブルに繋がってしまうケースもあります。
老けて見える
加齢による身体の変化の一つとして、皮下脂肪の量も年を取ると減少していきます。そのため、脂肪吸引によって脂肪の量を減らしておくと、年を重ねて自然と脂肪の量が減ってきた時には脂肪が少なすぎとなってしまい、頬がこけた状態など老けて見えやすくなる要因となります。こうしたリスクを避けるために、経験の豊富な医師と長期的な視点でのデザインを作る事が大切です。
シワ・たるみ・ほうれい線の増加
顔のもたつき、たるみを改善しようと治療をうけたのに、脂肪吸引をすることで余計にたるみが目立ってしまうケースがあります。これは顔のボリュームを支えていた脂肪が減少する事で肌の内側からのハリがなくなり、それによって皮膚全体が下方に下がってしまいます。顔の脂肪が多く、脂肪吸引の適応であっても、皮下脂肪によるハリがなくなれば余った皮膚によってたるみが出てしまう可能性があります。顔のたるみは脂肪の量だけではなく皮膚のたるみによるものなどがあり、この場合にはフェイスリフト手術や糸リフトなど別の治療を併用する必要があるケースもあります。たるみが目立つのと同様に、肌のハリを作っていた脂肪が減る事で皮膚のシワやほうれい線が目立ちやすくなってしまうケースがあります。シワやほうれい線が目立つと顔の印象が老けてみえやすくなってしまうため、やはりしっかりと適応を見定めて適切な治療を受ける事が大切です。
凹凸や皮膚のひきつり
脂肪吸引後に凹凸や皮膚のひきつれが出ることがあります。脂肪の吸い方にムラがあったり、極端に吸いすぎてしまった場合などに起こります。
目立つ傷跡
通常、脂肪吸引の傷は3ヶ月〜半年ほどで目立たなく治癒していきますが、一部「肥厚性瘢痕」と呼ばれる、赤く盛り上がってなかなか平らにならない傷跡になることがあります。気になるようであれば、ケナコルト注射などで対応することもあります。
顔の脂肪吸引の注意点
信頼できるクリニック・医師の選択
- 脂肪吸引の症例が多いクリニックを選びましょう。
施術の仕上がりを見て、安心できる医師、クリニックで施術を受けましょう。
- 複数のクリニックでカウンセリングを受けましょう。
複数のクリニックに行くことで、複数の医師の意見を聞くことができます。ご自身が一番納得できる医師に施術してもらうのが良いでしょう。
- アフターフォローについて確認しましょう。
美容施術である以上、ダウンタイム中にトラブルがあった時にすぐに対処してくれるかが重要です。カウンセリング時に確認するようにしましょう。
適切な施術部位の選定
特定の部分の脂肪だけを過剰に吸引してしまうと、隣接部位とのバランスがおかしくなってしまいます。
また、皮膚のハリ以上に脂肪を吸引すると、皮膚が余ってたるみが生じたり、皮膚表面がデコボコしたりします。脂肪吸引はデザインがとても大切です。
糸リフトなどの併用治療の検討
「顔の脂肪のボリュームも気になるけれど、皮膚のたるみもなんとかしたい」という方は、脂肪吸引のみではなく、糸リフトの併用がおすすめです。その他にも、よりすっきりとしたフェイスラインを手に入れたい方、小顔効果を高めたい方、顔に脂肪が多く付いていて、吸引を行うと皮膚が余りそうな方、何度も施術を受けたくない方は糸リフトを併用すると良いと思います。脂肪吸引は小顔効果、糸リフトはたるみ改善と小顔効果が得られる施術です。併せて行うことで相乗効果で小顔効果が高まり、よりスッキリした小顔になることができます。
脂肪吸引以外の顔痩せ治療
ハイフによる痩身治療
ハイフ(HIFU)は高密度焦点式超音波の略称で、超音波の振動を組み合わせる事で狙った深さの場所に高温を作り出す事ができるマシンを使用した治療です。ハイフによって皮下脂肪の層に高熱を加えると、熱の刺激によって脂肪細胞が破壊され、破壊された脂肪細胞は異物として免疫細胞などの働きによって体外に排出されていきます。皮膚の表面には熱が加わらず、深層部位にだけ熱を加える事ができるため、やけどなどのトラブルを回避しながら安全に皮下脂肪の減少を行う事ができます。脂肪吸引ほど明確な変化を一度の治療で目指すのは困難ですが、繰り返し治療を行う事で自然と脂肪の量を減らす事が可能で、切開が不要なためダウンタイムが軽微という点がメリットです。
脂肪溶解注射による痩身治療
脂肪溶解注射とは、名前の通り脂肪細胞を溶かして破壊する薬剤を注射する事で脂肪細胞を減らし、痩身効果を発揮する治療です。使用される薬剤も様々ですが、代表的なものとしてはBNLSという薬剤が顔の脂肪溶解によく用いられます。細くしたい部位に注射を行うだけなので、10分程度の短時間で治療が可能であり、細かい部位の脂肪を減らす事が出来る点が利点です。ハイフと同様、十分に効果を発揮するためには複数回の治療が必要となりますが、ダウンタイムが軽微で手軽にうけやすいため、特に顔の脂肪対策としては人気な治療法です。
まとめ
顔の脂肪吸引は効果や変化がわかりやすく人気の施術ですが、効果が大きい分、医師の技術力がそのまま結果に反映されやすいという側面もあります。医師の経験や技術が伴っていれば施術によって一気に悩みを解消できる一方で、適応の見定めや手術内容が十分でなければ、たるみやシワの悪化、将来的に生じる不自然さなど様々なデメリットが生じてしまう可能性もあります。治療を受ける際には十分に経験や技術があり、脂肪吸引だけではなく他の治療も含めてしっかりと最適な治療の案内を行える医師のもとで治療を受けることが一つのポイントとなりますので、できれば複数の医師からカウンセリングを受けて、最も信頼できると感じたところで治療を受けるなどの選び方をおすすめします。
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穴井元康
Motoyasu Anai
経歴
産業医科大学医学部 卒業
国立病院機構九州医療センター
トヨタ自動車株式会社 専属産業医
東北ろうさい病院 整形外科
都内整形外科クリニック 院長
大手美容外科クリニック
ネビュラクリニック広島院 院長
所属学会・資格
日本整形外科学会 正会員
日本医師会認定產業医
ボトックスビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
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