ほくろ除去は自分で行ってもいい?危険性を解説

ほくろ除去は自分で行ってもいい?危険性を解説

誰でも必ず体のどこかにある「ほくろ」。
場所や大きさによっては取り去ってしまいたい場合もあるでしょう。数ミリ程度のほくろなら、自分自身で取れるのでは、と考える方もいるかもしれません。

しかし、ほくろを本当に自分で除去してしまってもいいのでしょうか?

この記事では、ほくろ除去を自分で行なってもいいものか、そもそも「ほくろ」とはどういうものかも合わせて解説します。最後までお読みいただき、自分自身でほくろを除去する危険性について確認してみてください。

白岩 拓巳
editor chief
[監修者] ネビュラクリニック 統括院長/代表

白岩 拓巳

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経歴

2016年 千葉大学医学部医学科 卒業
2016年 横浜労災病院
2017年 平戸市民病院
2018年 千葉大学医学部附属病院
2019年 千葉労災病院
2020年 大手美容外科クリニック 新宿本院
2020年 大手美容外科クリニック 福岡院 副院長
2021年 大手美容外科クリニック 広島院 院長
2021年 大手美容外科クリニック 銀座院 院長
2022年 ネビュラクリニック 院長

ほくろの原因と種類

ほくろの原因

「ほくろ」は医学的には「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」、「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と呼ばれる良性腫瘍(良性のできもの)のことをさします。母斑とは色や形の皮膚奇形をさす言葉で、病変を構成する細胞を母斑細胞と言います。母斑細胞はメラニン色素を産生するメラノサイトに類似した細胞であり、ほくろはこの母斑細胞が塊状に異常増殖することで発生します。ほくろ自体は遺伝しませんが、ほくろのできやすい体質は遺伝するとされています。また、大部分は後天性で、生まれた時には存在せず、3-4歳頃から生じて次第に増加します。20-30歳代がピークで以後は退色していきます。

ほくろの種類

ほくろは通常型と特殊型に分類されます。通常型は増殖している細胞の存在部位から、境界母斑、複合母斑、真皮内母斑に分類されます。皮膚は厚さが約0.2mmの表皮とその下方にある真皮から構成されており、真皮の厚さは表皮の約15〜40倍です。境界母斑は表皮と真皮の間にできたもので、通常薄く小さいためほとんど目立ちません。複合母斑は境界母斑と真皮内母斑が混在しているものを言います。真皮内母斑は真皮内に母斑細胞が集まってできたものです。特殊型はSpitz母斑やClack母斑などがあります。また、中には一見ほくろのように見える皮膚がんやほくろから皮膚がんが発生することもあるため注意が必要です。ダーモスコピーと呼ばれる拡大鏡を用いて診察することで良性か悪性かを判断していきます。

ほくろは自分で除去できる?

結論から言うと、ほくろを自分で除去するのは難しいと思われます。先述した通り、ほくろの中には真皮内の深い場所にまで細胞が存在している場合があり、自分で除去しようとすると高確率で取り残しが発生し、再発することが予想されます。また、皮膚がんの場合は誤った処置によって周りの組織にがん細胞が広がってしまう危険性もあります。除去後の見た目という点でも専門施設できれいに取るのがおすすめです。

ほくろを自分で除去するリスク

傷跡が残る

人の体には傷を修復しようとする力が自然に備わっています。ほくろを適切ではない方法で除去しようとすると、皮膚の真皮部分が傷ついてしまい、瘢痕化するリスクがあります。瘢痕とはいわゆる傷跡のことですが、これは傷を修復しようとする力が過剰に働いた結果、皮膚が周囲の皮膚と異なる線維の組織に置き換わったものです。瘢痕部分は毛穴が存在せず、周囲の皮膚と質感が異なっているため、見た目の観点から目立ちます。また、瘢痕は自然に治癒することがないため、傷痕として残ってしまいます。そのため、ほくろ除去ではいかにこの瘢痕を作らないか、または瘢痕になったとしてもそれをいかに最小限の範囲に留めるかがポイントになってきます。そのためにはほくろの深さに合わせて適切な方法を選択する必要があり、ひとつの医師の腕の見せ所です。

感染症

また不衛生なハサミやカッターなどで切除しようとすると、感染のリスクがあります。感染すると、痛み、腫れや膿が出るなどの症状が現れ、その場合抗菌薬による治療が必要になります。最悪の場合、その部分の皮膚が壊死してしまう可能性もあります。医療機関では滅菌処理をされた器具を用いて清潔を保って手術をすることで、感染症のリスクを限りなく低くしています。

やけど・水ぶくれ

稀にほくろ除去クリームやお灸で使用されるもぐさを用いて、皮膚を火傷の状態にしてほくろを除去しようとする方もいらっしゃいます。これらの方法ではほくろは完全に取りきれないですし、火傷の痕が残るリスクもあります。そのため、やはりこれらの方法もお勧めできません。

専門家で適切な方法で除去を

一般的にほくろを除去する方法には(1)切開法(2)くり抜き法(3)焼灼法があります。
医師の診断のもと、ほくろの大きさや深さ、部位によって適切な方法を選択します。

⑴切開法

こちらは最もポピュラーな方法です。ほくろの周囲に局所麻酔を行い、ほくろを含めて葉っぱの形に皮膚ごとメスで切除します。その後、皮膚を縫合します。体内に吸収されていずれは無くなってしまう吸収糸と、後日抜糸が必要なナイロン糸を用いて2層に縫合していきます。抜糸のタイミングは通常術後1-2週間後になります。術後の傷の大きさの目安はほくろの直径の2倍程度です。術後の一般的な経過としては、術後3日程は少し腫れて赤みがある場合があります。その後は傷に沿った淡い赤みがある期間を経て、約1か月後くらいで元の肌の色に戻るイメージです。術後の過ごし方としては、手術当日は基本的には手術した部位は濡らさず、その日は安静にしていただく必要があります。また、運動やアルコールは控えていただきます。シャワーは翌日から可能ですが、湯船へ浸かるのは感染予防の観点から抜糸後が望ましいです。また、傷をきれいに治すという観点では手術した部位の皮膚が引き伸ばされないようにすることも重要です。

⑵くり抜き法

こちらは主に浅いほくろや小さいほくろが適応になります。切開法と同様局所麻酔を行い、トレパンと呼ばれる円形のメスや18G針を使用し、ほくろを浅くくり抜く方法になります。こちらは浅くくり抜くため縫合の必要がなく、術後はテープで保護を行い、自然に傷が塞がるのを待ちます。傷が塞がるまでは抗菌薬の入った軟膏を塗る、被覆剤で傷を覆うといった処置を行います。通常、1-2週間程度で傷は塞がることが多いです。

⑶焼灼法

こちらもくり抜き法と同様、浅いほくろ、小さいほくろが適応になります。局所麻酔の後、C02レーザーや電気メスを用いて、ほくろを焼きながら削りとる処置になります。術後の処置はくり抜き法と同様です。

ほくろの大きさや部位にもよりますが、いずれの処置も通常30分程度で終わります。

ほくろ除去ならネビュラクリニックがおすすめ

ほくろ除去ならネビュラクリニックがおすすめ

ほくろ除去は気軽にできるイメージがあると思いますが、ほくろの大きさや深さによって適切な方法を選択する必要があり、また上記のように様々なリスクがあるため医療機関での処置が望ましいです。当院では経験豊富な医師が患者様一人一人のほくろの状態を診察し、適切な治療法をご提案しています。ほくろ除去を検討されている方は是非、気軽にご相談ください。

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[ COLUMN ]
この記事を監修したドクター
岸大輔

岸大輔

Daisuke Kishi

経歴

昭和大学医学部医学科 卒業
東海大学医学部附属病院 形成外科
都内病院 麻酔科
大手美容外科クリニック 川口院 院長
大手美容外科クリニック 新宿東口院 部長
大手美容外科クリニック 仙台駅前院 副院長
大手美容外科クリニック 高田馬場院 院長
大手美容外科クリニック 枚方院 院長
ネビュラクリニック京都院 院長

所属学会・資格

日本美容外科学会(JSAS)正会員
日本麻酔科学会正会員
ボトックスビスタ認定資格医
ジュビダームビスタ認定資格医
ジュビダームビスタバイクロス認定資格医
日本救急医学会ICLSプロバイダー修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

学術集会演題発表歴

1. 『肢帯型筋ジストロフィー患者の腹腔鏡下虫垂切除術に対する麻酔経験』,第59回日本麻酔科学会合同学術集会,演者:岸大輔、奥田奈穂、小柳哲男、斎藤郁恵、新井多佳子、島田宗明
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