クマ取りのデメリットとは?リスクと注意点を徹底解説!

クマ取りのデメリットとは?リスクと注意点を徹底解説!

目の下にクマがあると、それだけで疲れた印象を与えてしまったり、実年齢より老けて見えたりしてしまいます。実はクマの原因は疲れだけではないことをご存じでしょうか。クマにはいくつかの種類があり、それぞれの種類別に原因や治療法が異なります。また、治療法によってメリットやデメリットが異なるため、適切な治療法を選択する必要があります。今回の記事では気になる目の下のクマのデメリットやリスクを中心に解説していきます。

白岩 拓巳
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[監修者] ネビュラクリニック 統括院長/代表

白岩 拓巳

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経歴

2016年 千葉大学医学部医学科 卒業
2016年 横浜労災病院
2017年 平戸市民病院
2018年 千葉大学医学部附属病院
2019年 千葉労災病院
2020年 大手美容外科クリニック 新宿本院
2020年 大手美容外科クリニック 福岡院 副院長
2021年 大手美容外科クリニック 広島院 院長
2021年 大手美容外科クリニック 銀座院 院長
2022年 ネビュラクリニック 院長

クマ取りとは?

クマ取り手術とは

クマ取り手術とはどんなものでしょうか。
クマにはいくつかの種類があり、手術によって改善できるのはその一部です。
まずクマの種類について解説します。クマには4種類あり、茶クマ、青クマ、黒クマ、赤クマがあります。

まず一つ目は茶クマです。茶クマの正体はずばり色素沈着です。色素沈着は過剰にメラニン色素が作られる状態とメラニンの排出が十分に行われないことの両面で生じるとされています。アトピー性皮膚炎や花粉症で目をよく掻いている方やアイメイクやメイク落としの際に目の周りを強く擦っている方に多くみられます。他には睫毛の育毛に使用されるプロスタグランジン製剤が下瞼に付着することでも色素沈着が生じることがあります。茶クマは皮膚自体が変色しているため、皮膚を目尻側に引っ張ってみると、茶色い部分がそのまま引っ張られて動くのが特徴です。

次に青クマです。これは皮膚の下にある毛細血管の血行不良です。目元の皮膚は人間の体の中で最も薄い部位のため、血管の色が透けてみえます。通常では血管の色は目立ちませんが、血行不良の状態では血管が拡張して目立ちやすくなります。血行不良の原因には、睡眠不足や長時間のデスクワークによる眼精疲労、ストレスや冷え、喫煙などが挙げられます。青クマは、皮膚自体は変色していないため、皮膚を目尻側に引っ張っても青い部分は動くことなく留まるのが特徴です。

黒クマは眼窩脂肪による目の下の膨らみの下にできる影です。眼球の周囲には眼窩脂肪というものが存在し、眼球を保護するクッションのような役割を果たしています。また、眼球はロックウッド靭帯という靭帯によって下方に沈み込まないないように支えられていますが、加齢に伴いこの靭帯が緩み眼球が下方に下がるため眼球の下方にある眼窩脂肪が前方に押し出され、目の下に膨らみができます。このようにできた目の下の膨らみに光が当たるとその下側に影ができます。これが黒クマ、または影クマと呼ばれるものです。加齢に伴う現象なので、基本的には加齢とともに症状は進行します。靭帯の緩み方や眼窩脂肪の量によって個人差がありますが、早いと20歳代で症状が出てくる方もいます。
黒クマは皮膚を目尻側に引っ張ってみると、目の下の膨らみが解消され、黒い影は目立たなくなります。

赤クマは黒クマになる一歩手前です。目の周りの皮膚の下には眼輪筋という瞼を閉じる際に働く筋肉があるのですが、その筋肉が目の下から押し出されてきた眼窩脂肪に押し出され圧迫された状態です。眼輪筋などの筋肉は血管の豊富な組織であるため、圧迫された血管の色を反映して赤っぽくみえます。赤クマ内側から透けて赤く見えているため、皮膚を目尻側に引っ張っても消えることはありません。この症状が進み、眼窩脂肪が更に前に押し出されると、黒クマになっていきます。

これらの中で、クマとり手術によって改善できるのは黒クマ赤クマになります。
クマとり手術とは突出してきた眼窩脂肪を取り除くことで、目の下の膨らみを改善し、それによりクマを改善していく方法になります。これがいわゆる下眼瞼脱脂術になります。他にもクマ取りの手術方法にはいくつか種類があるため、解説していきます。

クマ取り手術の種類

下眼瞼脱脂術

こちらが最もスタンダードな方法になります。突出してきた眼窩脂肪を外科的に取り除くことで、目の下の膨らみを改善し、クマを改善します。経結膜アプローチと言って、瞼の裏に小さく切開を加え、そこから眼窩脂肪を摘出していきます。瞼の裏の皮膚は粘膜なので、傷の治りは早く、大体1週間程度で傷は塞がってきます。そのため、瞼の裏は糸による縫合や抜糸の必要がないのは1つのメリットです。
顔の表面に傷がつかないため、「切らないクマとり術」などの施術名で呼ばれることがあります。
眼窩脂肪の突出は加齢に伴う現象なので、加齢と共に症状は進行します。この下眼瞼脱脂術ではクマやたるみを改善するだけでなく、将来的に眼窩脂肪の突出によって表面の皮膚が大きくたるんだり、深いシワができたりすることの予防にもなります。
人によっては、突出してきた眼窩脂肪の膨らみのすぐ下方に靭帯の緩みによる溝(tear trough=涙の溝)ができている場合があります。そう言った場合は、眼窩脂肪の膨らみを取るだけでは完全にはクマが改善しません。この溝を埋めるための施術が必要になります。溝を埋める方法は大きく分けて2つあります。ヒアルロン酸注入と脂肪注入です。ヒアルロン酸注入のメリットはなんと言っても手軽さです。注入量のボリュームが調整しやすく、万が一入れ過ぎてしまった場合でも溶かすことができます。デメリットは自然に吸収されていってしまうので、定期的なメンテナンスが必要になることです。脂肪注入のメリットは溝を物理的に埋めるだけではなく、色味も同時に改善できることです。デメリットとしては、注入するための脂肪を他の部位から採取する必要があること、注入した量全てが定着する訳ではないため注入量の調整が難しく、何回かに分けて注入が必要なこと、しこりになると溶かすのが困難なため切除が必要になることなどが挙げられます。どのタイプのクマなのかによって適切な方法が変わってくるため、まずは医師の診察を受けましょう。

ハムラ法(経皮的眼窩脂肪移動術)

眼窩脂肪の突出による目の下の膨らみとその下方にできるtear troughと呼ばれる溝、この膨らみと溝を同時に改善するための方法が経皮的眼窩脂肪移動術です。有名な美容外科医Dr.Hamra(ハムラ)にちなんでハムラ法と呼ばれています。この方法は、まず眼窩脂肪の突出によってできた目の下の膨らみ部分の弛んだ皮膚を切開します。そこから眼窩脂肪にアプローチするのですが、眼窩脂肪を取ってしまわずにtear troughの方に移動させて、そこで固定します。これにより目の下の膨らみと溝を同時に改善させます。ハムラ法は経皮的アプローチ、つまり表面の皮膚を切除して眼窩脂肪にアプローチするため、糸で縫合します。そのため、術後は下瞼の際に糸の縫い目がある状態になります。通常、抜糸は1週間後です。この方法の最大のメリットは目の下の膨らみ、その下方のtear troughと呼ばれる溝、眼窩脂肪の突出によってできた皮膚のたるみ、これらを一度に改善できることです。デメリットとしては、術後表面に傷ができることとそれによって下瞼が外反と言って常にあっかんべーの状態になるリスクがあることです。傷跡が目立たなくなるまでには3~6か月みておく必要があります。

裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)

裏ハムラ法は眼窩脂肪をtear troughの方に移動させる眼窩脂肪移動術を経結膜的、つまり瞼の裏からアプローチする方法です。これによって、目の下の膨らみとその下方の溝を同時に改善させます。
瞼の裏を小さく切開して手術をしていくため、皮膚表面に傷ができない、下瞼の外反するリスクがほぼないというのがメリットになります。皮膚表面は切らないため、目の下の膨らみ表面の皮膚のたるみは改善できません。たるみが強い場合は仕上がりがあまり良くない場合もあります。

クマ取り手術のデメリット

痛みと腫れ

術後に内出血や痛み、腫れが出ることがあります。内出血は軽いと数日で消えますが、
大きなものになると完全に消えるには2~3週間要することもあります。腫れは48~72時間後がピークで、通常1週間程度で治っていきます。痛みは個人差がありますが、術後に鈍痛を感じる方もいらっしゃいます。術後は鎮痛薬が処方されることが一般的で、内服することで軽減できます。

ダウンタイム

通常1-2週間で目立つ腫れは落ち着いてきます。最終的な仕上がりは3か月後です。
瞼の裏を切開する場合は傷が塞がるまで1週間程度、涙に血が混じったり、瞼の裏に違和感を感じたりすることがあります。瞼の表面を切開した場合は抜糸が1週間後、最終的に傷跡が馴染んで目立たなくなるのは3~6か月後になります。

合併症のリスク

内出血や腫れ以外にも様々な合併症のリスクがあります。

1.結膜浮腫

白目部分が浮腫んだ状態になることがあります。発生頻度は高いですが、基本的には数日で改善します。改善促進のために、炎症止めの点眼薬が処方されることもあります。

2.下眼瞼外反症

また、ハムラ法では下眼瞼外反症のリスクもあります。瞼が外側にめくれ、常に結膜が露出した状態であるため、目が閉じにくく眼球が乾燥したり、角膜が傷つく原因となったりします。結膜が露出してみえることで、見た目上でも問題が生じてきます。

3.視神経症

頻度としては多くはないですが、視神経症と言うものもあります。クマとりの手術の際に血管を損傷し、目の奥に血が溜まり血腫を形成する可能性があります。この血腫が視神経を圧迫することで、目の痛みや頭痛、目の圧迫感、視野障害などの症状をきたします。この場合、血腫を取り除くための手術が必要になってきます。

4.角膜びらん

角膜の表面が欠損した状態のことで、目の痛みや充血、違和感などの症状が出ます。
手術操作によって、角膜が傷つけられることが原因ですが、時間とともに改善してくることが殆どなため経過観察を行なっていきます。

5.涙小管損傷

涙小管損傷とは、涙道の中に存在する涙小管が損傷した状態のことを指します。涙小管が損傷されると、たまった涙を鼻腔に排出することができなくなります。行き場のなくなった涙は目から頬へと流れるようになるため、常に涙を流した状態で日常生活を送らなければならないようになります。この場合、損傷した部位をつなぎ合わせる手術が必要となります。涙小管損傷は時間の経過とともに手術で治すことすら難しくなるため、早急な対応が必要となります。

効果の持続期間

基本的には半永久的と考えてよいかと思います。ただし、稀に再発することもあります。

クマ取り手術の失敗例

傷跡が目立つ

ハムラ法などの皮膚の表面を切開する術式では傷跡が目立つ場合があります。下瞼のまつ毛の生え際のギリギリで切開することで、仮に傷跡が残ったとしてもほぼわからないようにしています。

効果が不十分

下眼瞼脱脂では取り除く脂肪の量が不十分だと、目の下の膨らみが改善しない場合があります。逆に取りすぎると今度は目の下が窪んで仕上がりが良くない場合があります。また下眼瞼脱脂や裏ハムラ法では、目の下の皮膚のたるみが強すぎる場合は、その皮膚を切除しない限り、不十分な仕上がりになる場合がります。

目の形が変わる

脂肪を取り過ぎた場合、目の下が窪むだけではなく目の上が窪んだり、目全体が窪んでしまったりする場合があります。脂肪注入で目の周りが腫れたり、ヒアルロン酸注入で目の下が青く透けたりする場合があります。

クマ取り手術で失敗しないための対策

クマ取り手術で失敗しないための対策

実績が豊富なクリニックを選ぶ

ネビュラクリニックではクマとりの実績が豊富な医師のみが施術していくのでご安心ください。
症例写真も多数upしているため、仕上がりが気になる場合はそちらでご確認いただけます。

カウンセリングが丁寧なクリニックを選ぶ

患者様のお悩みや予算に応じて、しっかりカウンセリングを行い、最も適切な治療法を提案させていただいております。

術後のケアを徹底する

できるだけ安静にし、目を酷使すること(パソコンやスマホの長時間使用など)は避けて目を休ませてください。また、飲酒・喫煙、サウナ、長時間の入浴、運動も1週間は避けるようにしてください。

クマ取り手術を受ける前に知っておくべきこと

手術前の準備

施術内容によっては、クマ取りの施術前までに空けておくべき期間が決まっています。二重の埋没なら1週間、眉下切開は1か月、眼瞼下垂手術であれば3か月です。レーザーなども長いと半年程度空ける必要があります。他の施術と空けるべき期間が不明な場合はクリニックにお尋ねください。

手術後の生活

特に飲食制限はありません。飲酒も可能ですが、腫れや内出血が悪化するリスクがあるため、過度な飲酒は避けた方が良いでしょう。洗顔やシャワーは当日から、メイクは翌日から可能となります。

クマ取り手術ことならネビュラクリニックにご相談ください

目の下のクマにはいくつかの種類があり、それぞれ原因や治療法が異なります。それぞれに応じた適切な治療法を選択する必要があり、各治療法にメリット・デメリットがあります。ダウンタイムやリスクも異なってくるため、医師の診察と十分な説明を受けた上で方針を決定していくとよいでしょう。当院では経験豊富な医師が患者様一人一人の目の下のクマの状態を診察し、適切な治療法をご提案しています。目の下のクマでお悩みの方は是非、気軽にご相談ください。

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[ COLUMN ]
この記事を監修したドクター
岩切琢磨

岩切琢磨

Takuma Iwakiri

経歴

2016年 熊本大学医学部医学科 卒業
2016年 医療法人財団 荻窪病院
2018年 昭和大学病院 皮膚科学講座
2019年 昭和大学江東豊洲病院 皮膚科
2024年 ネビュラクリニック 東京錦糸町院 院長

所属学会・資格

日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会 正会員
日本美容外科学会(JSAS) 正会員
日本抗加齢医学会 正会員
日本専門医機構認定 皮膚科専門医
ボトックスビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医

術集会演題発表歴

1. 岩切琢磨、井藤遥、小野蘭、猿田祐輔、渡辺秀晃、末木博彦(昭和大)、山下太郎、安東由喜夫(熊本大神経内科):結節性皮膚アミロイドーシスの1例.日本皮膚科学会第879回東京地方会(2018.6)
2. 岩切琢磨、田代康哉、張田修平、岩井信策、渡辺秀晃、末木博彦:好酸球性環状紅斑の1例. 第82回日本皮膚科学会東京支部学術大会(2018.12)
3. 岩切琢磨、新屋光一朗、北見由季、渡辺秀晃、末木博彦:手指に限局したWells症候群の1例. 日本皮膚科学会第883回東京地方会(2019.2)
4. 岩切琢磨、石橋智、山内輝夫、永田茂樹:萎縮性皮膚線維腫の1例.第84回日本皮膚科学会東京支部学術大会(2020.11)
5. 岩切琢磨、山内輝夫、須永知里、永田茂樹:潰瘍性大腸炎の診断に至った下腿の壊疽性膿皮症の1例.日本皮膚科学会第898回東京地方会(2021.10)
6. 岩切琢磨、山内輝夫、須永知里、永田茂樹:粉瘤嚢腫壁より生じたと考えられた基底細胞癌の1例.日本皮膚科学会第900回東京地方会(2022.2)
7. 岩切琢磨、山内輝夫、須永知里、永田茂樹:先天性三角形脱毛症の1例.日本皮膚科学会第901回東京地方会(2022.5)
8. 岩切琢磨、山内輝夫、須永知里、永田茂樹:Gorlin症候群の1例.日本皮膚科学会第902回東京地方会(2022.7)
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